豪ドル/円相場は、97円台中盤まで軟化している。本日から日本銀行・金融政策決定会合が開催されるのを控え、イベントリスクから豪ドル買い・円売りポジションの巻き戻しが優勢になった。特に豪ドルを売り込むような材料は見当たらず、実際に、対米ドルでは豪ドルの堅調地合が維持されている。主に円サイド主導の調整圧力であることが確認できる。
3月2日にはオーストラリア準備銀行(豪中央銀行)理事会が開催されたが、政策金利は50年ぶりの低水準となる3.00%で据え置かれた。「インフレ率で一段と利下げ余地」について言及されるなど、当面は緩和的な政策スタンスには変更がないと見られる。ただ、スティーブンス総裁は「民間消費支出の緩やかな伸び」を報告するなど、これまでの金融緩和による景気拡大効果を強調しており、追加利下げが行われる可能性は低下しているとの評価が支配的。今後の景気動向には注意が必要であるが、特に豪ドルサイドから豪ドル安・円高が進む理由は見当たらない。豪ドル/米ドル相場については、堅調地合が維持されていることが、それを明確に物語っている。
本日から明日にかけて日銀金融政策決定会合が開催される。黒田総裁は前日の衆院予算委員会で、既に「資産買い入れ基金」と通常の資金供給の国債購入枠を統合する方針を示しており、ここから更にどこまで踏み込めるのかが試されることになる。短期的には「材料出尽くし」と評価されるリスクには注意が必要。ただ基本的には、米連邦準備制度理事会(FRB)型の通常のバランスシート拡大政策を示せば円安基調は維持されるとみているため、更に豪ドル安が進む場面があれば豪ドル買い・円売りを仕掛ける好機と考えている。
今後1週間の予想レンジは、96.50~99.00円。